哲学的ゾンビという言葉は
哲学的ゾンビという言葉は、心の哲学の分野における純粋な理論的なアイデアであって、単なる議論の道具であり、「外面的には普通の人間と全く同じように振る舞うが、その際に内面的な経験(意識やクオリア)を持たない人間」という形で定義された仮想の存在である。
ここからは哲学的ゾンビに対するより詳細な分析を紹介していく。
まずゾンビ問題を理解するためには、「意識」という言葉がいくつもの意味で使われる多義語であることに注意する必要がある。 ここではチャーマーズによって導入された、意識という語の持つ二つの大きな意味、機能的意識と現象的意識の違いをまず紹介する。
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機能的意識
機能的意識とは、『人間が外部の状況に対して反応する能力』のことである。脳を物体として捉える観点から言えば、入力信号に対して出力信号を返す脳の特性としての意識である。これは機能的意識または心理学的意識と言われ、外面的に観測することができる客観的な特性である。
現象的意識
これに対し現象的意識とは、『主観的で個人的な体験』のことである。ある一人の人間だけが体験し、外部からは観測できない主観的な特性としての意識である。これは意識体験、現象、クオリアなどとも呼ばれるが、機能的意識と対比させるときは現象的意識という名前で呼ばれる。