F-4Jをイギリス海軍向けに改修した型。「F-4K」とはマクドネル社内での呼び名でイギリス海軍では「ファントム FG.1」と呼んだ。エンジンをロールス・ロイスRB-168-25RスペイMk.202 (後にMk.203) ターボファンエンジンに変更し、それに伴いインテークを横方向へ15センチ大型化、レーダーをAN/AWG-11に変更した。発艦を容易にするために前脚が原型のF-4Bより40インチも伸ばせるようになり迎え角が大きくしている。米空母に比べて小型の英空母のエレベーターのサイズに合わせるために機首のレドームを折り畳み式にしている。エンジン換装により加速性能と航続距離は向上したが高空での速度は少し遅くなった。この種の超音速機では最高速度性能は大した意味がなく、概ね性能向上したとみてよいと思われる。ただし、スペイ・エンジンは原型のJ79より重く、テイル・ヘビーの傾向があったため、スパロー・ミサイルなどを装備しない場合でも、機体前部の兵装ステーション (No.4/6) に死重を搭載する必要があった。
一方、空母の廃止により生産数を削減されたことでイギリス製部品のシェアも40%強にとどまり当初計画されていた50%は達成できなかった。新規部品の開発コストもかさんだため『世界で最も高価なファントム』になってしまったと言われている。
F-4Kは1966年に初飛行し1968年4月に初号機が引き渡された。当初の計画では140機を導入する予定だったが当時の労働党政権は1966年に空母戦力の大幅削減 (最終的に通常空母は全廃) を決定。F-4Kの搭載工事もアーク・ロイヤル1隻のみに施されることになった。F-4Kの調達数も削減された結果、1969年の最終号機引き渡しまでに52機 (試作機2機を含む) の生産にとどまった。
アーク・ロイヤルの改装中 (1967年3月?1970年2月) に空母イーグルで行われたF-4Kのテストの結果はアーク・ロイヤルの改装にフィードバックされた。1972年のイーグルの退役によりF-4が搭載される空母はアーク・ロイヤルのみとなり、飛行隊も二個から一個へと削減され、52機のF-4K中28機が空軍へと移管された (19機は当初から空軍に配備された) 。1979年12月のアーク・ロイヤル退役後のイギリス海軍ではスキージャンプ装備の軽空母とBAe シーハリアーの組み合わせだけとなり、全機が空軍に移管された。
移管後、F-4Kは防空戦闘機として北海上空の防衛の任に就いた。
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